Q1.これまでトップアスリートとしてご活躍されてきた先生方は、アスリートが活躍する上で求められるメディカルサポートについて、どのように考えられますか?
陸上短距離選手に最も多い怪我はハムストリングスの肉離れです。私も現役時代、何度となくハムストリングスのハリや痛み、そして肉離れに悩まされてきました。特に1985年に神戸で開催された夏季ユニバーシアードの400m決勝では、準決勝で日本記録をマークし、メダルを狙って挑んだレース途中200m付近で肉離れしてしまいました。それ以降は毎週鍼治療に行くなど、練習と同じくらいに体のケアに力をいれるようになりました。
また、肉離れ以外の怪我としては膝の鵞足炎に1年間悩まされました。当時、治療やリハビリに明け暮れ、痛み止めを処方していただきながらレースに挑んでおりましたが、なかなか痛みが取れず、スポーツ整形外科病院に数回入院治療を繰り返し、ようやく完治した記憶があります。
これらの経験から、日頃からの身体のメインテナンスと、バランス調整のためのリハビリテーションの重要性に気が付き、今でも選手にアドバイスするようにしています。
Q2. 本ホームページを見に来てくださった皆様に対しコメントをお願いいたします!
総合大学である東海大学の強みはなんといっても、それぞれの専門性を活かし、相乗効果が期待できる学部間の連携ではないでしょうか。その中でも、医学部、体育学部、スポーツ医科学研究所、湘南健康推進室などが連携して実施している「スポーツ医学プロジェクト」は画期的な取り組みだと思っています。
日頃からハードなトレーニングをしているスポーツの世界において、障害、あるいは外傷のリスクは非常に高いものがあります。私が指導している陸上選手が先日練習中にアキレス腱を断裂してしまいました。直ちに東海大学スポーツメディカルサポートに連絡を入れさせていただいたところ、その日のうちに対応いただき、速やかに手術までの段取りを取っていただきました。
また、このように緊急時の対応もさることながら、スポーツ医科学の連携によるアスリートの身体のケアや栄養等に関するサポートも高い効果が期待でき、より高いパフォーマンスを発揮するために心強いサポートシステムであると感じています。